人間の笑顔に反応して、微笑み返してくれるロボットに改良
研究チームは、プロジェクトの次の段階として、EVAに「近くの人間の表情を読み取り、同じ表情を反映する」機能をもたせることにしました。
ところが、顔の動きはあまりにも複雑なプロセスで成り立つため、すべてのルールをあらかじめ定義することは不可能だと判明。
そこでチームは、ディープラーニング(深層学習)を利用した人工脳を作成。
まずEVAには、自分の顔をどの筋肉を使って動かすか教えなければいけません。
そのためEVAの表情を複数作り、その様子を何時間も撮影。
この映像を見せ続け、EVA自身に表情と筋肉の動きを学習してもらいました。
自分の顔をどのように動かすべきなのか、いわば「鏡を見ながら」学習させたのです。
次にチームは、カメラに映った人間の表情とEVAの表情を照合し、関連性をもたせました。
試行錯誤を繰り返した結果、最終的にEVAは近くの人間の表情を模倣できるようになったのです。
これにより人間がEVAに笑顔を向けると、EVAも微笑み返してくれるようになりました。
もちろん、現段階では限定的なコミュニケーションでしかありません。
とはいえ将来性的には、社会で実際に活躍できる可能性を秘めています。
職場や病院、学校や家庭では、人間の表情を含むさまざまなボディーランゲージに対応できるロボットが今後役立つはずです。