シーラカンスは成熟に何年かかる?
シーラカンスは、今から約4億年前のデボン紀に出現した魚類です。
19世紀に発見され始めた化石から、シーラカンスは約6600万年前の隕石衝突で、恐竜たちと共に絶滅したと考えられました。
ところが、1938年になって南アフリカの沖合で、生きたシーラカンスが捕獲されたのです。
驚くべきは、シーラカンスが4億年前からその姿を変えていないことでした。
これがきっかけで「生きた化石」と呼ばれるようになります。
その後もインドネシアやマダガスカル近海で生きた個体が見つかり、種として生存していることが確認されました。
その一方で、シーラカンスの生態は謎だらけです。
例えば、ある種のシーラカンスは体長2メートル、体重105キロまで成長しますが、この成熟にどれくらいの年月を要するのか分かりません。
以前の研究では、20年前後で成熟するという意見もあります。
しかし、この成長速度はマグロに匹敵するほどの早さです。
シーラカンスは代謝が低く、繁殖力も低いため、20年で成熟するのは生物学的に不可能と見られます。
そこで研究チームは、過去に捕獲された27匹のシーラカンスの標本を対象に、成長速度と年齢を調べることにしました。