古代のシーラカンス「キンレア」(復元図)
古代のシーラカンス「キンレア」(復元図) / Credit: ja.wikipedia
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シーラカンスの寿命は100年に達することが明らかに

2021.06.19 Saturday

「生きた化石」シーラカンスの真の寿命が明らかになったようです。

これまでの研究によると、シーラカンスの寿命はだいたい20年前後とされていました。

しかし今回、フランス国立科学研究センター(CNRS)、フランス国立海洋開発研究所(IFREMER)の調査により、従来の5倍に当たる100年と推定されたのです。

研究は、6月17日付けで科学雑誌『Current Biology』に掲載されています。

This ‘ancient’ monster fish may live for 100 years https://www.livescience.com/coelacanths-may-live-to-100.html Coelacanths – Enormous Fish That Live Deep in the Ocean – May Live Nearly a Century https://scitechdaily.com/coelacanths-enormous-fish-that-live-deep-in-the-ocean-may-live-nearly-a-century/
New scale analyses reveal centenarian African coelacanths https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(21)00752-1?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982221007521%3Fshowall%3Dtrue

シーラカンスは成熟に何年かかる?

シーラカンスは、今から約4億年前のデボン紀に出現した魚類です。

19世紀に発見され始めた化石から、シーラカンスは約6600万年前の隕石衝突で、恐竜たちと共に絶滅したと考えられました。

ところが、1938年になって南アフリカの沖合で、生きたシーラカンスが捕獲されたのです。

驚くべきは、シーラカンスが4億年前からその姿を変えていないことでした。

これがきっかけで「生きた化石」と呼ばれるようになります。

1938年に見つかったシーラカンスの標本(ウィーン自然史博物館収蔵)
1938年に見つかったシーラカンスの標本(ウィーン自然史博物館収蔵) / Credit: jp.depositphotos

その後もインドネシアやマダガスカル近海で生きた個体が見つかり、種として生存していることが確認されました。

その一方で、シーラカンスの生態は謎だらけです。

例えば、ある種のシーラカンスは体長2メートル、体重105キロまで成長しますが、この成熟にどれくらいの年月を要するのか分かりません。

以前の研究では、20年前後で成熟するという意見もあります。

しかし、この成長速度はマグロに匹敵するほどの早さです。

シーラカンスは代謝が低く、繁殖力も低いため、20年で成熟するのは生物学的に不可能と見られます。

そこで研究チームは、過去に捕獲された27匹のシーラカンスの標本を対象に、成長速度と年齢を調べることにしました。

次ページ成熟に55年、寿命は100年に達すると判明!

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