加齢黄斑変性と糖尿病網膜症の原因
加齢黄斑変性とは加齢に伴って網膜が変性を起こす疾患であり、かすみ目、視力低下、失明の原因となります。
かつては老化による自然なプロセスだと考えられてきましたが、最近では原因の一部が明らかになっています。
目の奥の新しい血管が過剰に成長することで、失明に至っていたのです。
老化した目がなぜ急速に血管を増やすのか、その正確な理由は分かっていません。
しかし、このプロセスを止めることで、高齢者や糖尿病患者に光を取り戻すことができます。
そしてこの若い血管の成長は、「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」と呼ばれるタンパク質に大きく依存しています。
そのためこれまでにも、目に注射してVEGFタンパク質と結合する抗体が開発されてきました。
しかしこの治療法は40~60%の患者にしか効果がなく、繰り返し注射しなければいけません。
眼球損傷のリスクがあるだけでなく、患者に長期的な苦痛をもたらしていたのです。
そこで研究チームは、より良い治療法を開発することにしました。