「ええっと」には思いもよらない効果があるかもしれない
今回の研究により、「ええっと」と言葉が途切れる時に、脳は活発に語彙検索などの言語的な作業を行っている可能性が示されました。
実は先行研究では「ええっと」となる状況を意図的に作り出すことで、脳の一次感覚皮質の活動を最大化できることが示されています。
また人間の行動研究においては、話者が「ええっと」を声に出したほうが、同じ時間を無言で過ごすよりも、話者のプレゼンテーション能力が高いと評価されると報告もあります。
さらに完璧に流ちょうなスピーチと「ええっと」を含むスピーチの2つを聞かされた時、「ええっと」を含むスピーチを聞いた時のほうが、聴き手の脳の血流が良くなるとも報告されています。
これらの結果は「ええっと」の適度な運用が、話者や聴き手の脳を活性化させている可能性を示唆します。
今回の研究では「ええっと」が話者のスピーチ能力をその前後で上昇させるかどうかは調べられていませんが、脳の高度な機能にかかわる連合野が活性化していたことが判明しています。
ただの言いよどみに過ぎないと思われていた「ええっと」ですが、もしかしたらとんでもない可能性を秘めているかもしれません。