悪玉菌のビロフィラが増えるとマウスはバカになる
バカになってしまったマウスの腸ではどんな細菌が繁殖していたのか?
研究者たちが詳しく調べたところ、ビロフィラ菌(Bilophila wadsworthia)と呼ばれる特定の細菌が劇的に増加していることを発見します。
ビロフィラ菌は酸素の少ない環境を好む嫌気性細菌であり、様々な慢性的代謝異常にかかわることが知られている、ヒトの腸内にも存在する典型的な「悪玉菌」です。
またビロフィラ菌はタンパク質と脂質を好む性質があるため、ケトン食と低酸素状態という環境が合わさった結果、増殖したと考えられます。
ただこの時点では、ビロフィラ菌と認知機能の低下を結び付けるには証拠が足りませんでした。
そこで研究者たちは、通常の酸素濃度で通常のエサを食べているマウスの腸内に、ビロフィラ菌を単独で繁殖させてみました。
すると通常の環境・エサであっても、ビロフィラ菌が繁殖したマウスは認知機能が大幅に低下していました。
この結果は、ビロフィラ菌がマウスをバカにしている主な要因である可能性を示します。
しかしそうなると気になってくるのが、なぜ悪玉菌の1種に過ぎないビロフィラ菌が、認知機能を鈍らせるかです。
研究者たちはさっそく、ビロフィラ菌のせいでバカになってしまったマウスたちの脳を調べました。
結果、興味深い事実が判明します。