民主主義のリーダーには、温かみのある顔の人が選出されていた
研究チームは、最初の研究結果の根拠を理解するために追加実験を行うことにしました。
追加実験には最初の実験とは別の229人が参加。
参加者は前回と同じリーダー160人の顔写真を見て、それぞれのリーダーの魅力、能力、好感度、信頼感などを評価しました。
その結果、民主主義のリーダーは独裁者よりも、「魅力的」「好感が持てる」「信頼できる」と判断されやすかったようです。
ジャコミン氏はこの結果について次のように述べています。
「民主国家では、正義や開放性、透明性が重視されるため、信頼感や好感度が高く、温かみのある顔をした政治家が好まれます。」
「一方、独裁国家は国民を従属させることで機能します。そのため厳しい顔は、国民の恐怖心を煽って従わせるのに適していると言えます」
さて今回の結果から、民主国家では確かに「リーダーとして選ばれやすい顔」があると分かりました。
またその傾向から、顔だけでも民主主義のリーダーか、独裁者かをある程度判断できるようですね。
とはいえ、現代の民主主義の尺度は流動的であり、そもそもはっきりと民主主義もしくは独裁主義にラベル付けできるものではありません。
また実験では、顔の認識に影響を与える他の要素が考慮されたわけでもありません。
そのため「リーダーの選出には顔もある程度影響する」くらいの認識がちょうどよいのかもしれませんね。