人間にも虐待回路があるかもしれない
今回の研究により、マウスの脳には子供への攻撃性を制御する「虐待回路」が存在することが示されました。
ただ今回の研究に用いられたマウスは、子供を作ったことのないオスとメスに限定されているという、制限事項が存在します。
育児中の母親マウスの虐待回路を強制的に活性化させ、実の子供にどのような虐待(殺害・育児放棄)が起きるかについては、諸々の要因により研究では深く追及されませんでした。
しかし、研究によって示された、子供に対する虐待が、専門の神経回路によって「オン・オフ」されるという結果は、非常にショッキングであるとともに、大きな成果であると言えます。
もし同じような虐待回路が人間の脳に存在する場合、薬などによって回路を遮断することができれば、凄惨な児童虐待の防止につながる可能性があるでしょう。
※この記事は2021年9月に公開されたものを再掲載しています。