オタマジャクシの心臓に藻類を注射する
地球上の動物たちは植物の光合成によって生産された酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出すことで呼吸しています。
酸素と二酸化炭素の循環は地球規模で保たれており、多種多様な生命が育まれる基本要素になっています。
新たに行われた研究では、この酸素と二酸化炭素の循環が、オタマジャクシ1匹ぶんの規模でも機能することが示されました。
研究者たちはまず、麻酔で眠らされたオタマジャクシの心臓に植物プランクトンを注射します。
すると植物プランクトンは血流に乗って、オタマジャクシの脳を含む全身の血管に広がっていき、透明だったオタマジャクシは緑色に染まっていきます。
顕微鏡を使ってオタマジャクシの血管を観察すると、上の図のように最も細い血管でさえ、植物プランクトンが広がっている様子が確認できました。
この状態で光をあてれば酸素が発生することは、容易に予想できます。
しかしこのままでは、血中で発生した酸素のみでオタマジャクシが生存できるかは証明できません。
特に酸素を多く消費する脳への影響は、オタマジャクシが自力で呼吸している間は測定が困難です。
そこで研究者たちは、オタマジャクシを徹底的に分解し、自力での呼吸を不可能にしました。