ラーテルが最強と恐れられる理由は?
せっせか動き回り、手当たり次第に獲物を襲うラーテルですが、ギネスブックでは「世界一恐れを知らない動物」と認定されています。
決して無鉄砲なわけでなく、恐れを知らない理由はきちんとあります。
ラーテルは主に7つの武器を持っているので、自然と自信満々になってしまったんです。
①分厚く丈夫な毛皮
②伸縮性、柔軟性に富んだ皮膚、身体
③蛇毒へ耐性があり、毒蛇を捕食しても数時間動きが止まるだけ
④肛門付近の臭腺から、くさい臭いをジェット噴射できる
⑤耳障りなうなり声
⑥四肢にある発達したカギ爪での攻撃
⑦獰猛、攻撃的、ズル賢い、したたかな性格
以上の武器を駆使し、ジャイアントキリングを達成することもあるんだとか。
ラーテルの主要な武器である皮膚について、どんな機能があるのか解説していきます。
皮膚や身体の丈夫さ、伸縮性、柔軟性について
まずはラーテルが持つ武器のうち、最大の武器と言われている「皮膚鎧」について解説します。
ラーテルの皮膚は分厚くなっており、猛獣の牙、爪が簡単には貫通しません。
しかし硬いだけでは、噛みつかれたままくわえられて、捕まってしまうことがあります。
そこで、ラーテルは背後からライオンなどに背中を噛みつかれた際、背中の皮膚を柔軟に伸ばし、クルッと完全に後ろ(ライオンの顔面の方)を振り返ることができるんです。
振り返ったということは、することは「逃げ」ではなく「反撃」であり、ラーテルはそのまま怒りの矛先をライオンに向け、顔面に噛みつきます。
多くの猛獣の顔面の弱点の1つは鼻ですから、ラーテルはライオンから離れることができます。
さあ、あとは逃げるだけ!…と思いきや、ラーテルは逃げずに攻撃に転じてしまいがちなんです。これには、ラーテルの性格が関係しています。
性格について
ラーテルは、武器をたくさん持ち自分が強いことを自覚しているため、大抵の小型動物が恐れる大型獣、人、毒蛇にも一切怯まず挑んでいきます。
「最強かつ最恐」の性格であるラーテルは、大型獣や毒蛇に襲われた際に自ら攻撃しに行きます。
多くの動物は、自身より目線の高い動物、毒を持つ動物を恐れますが、ラーテルにはその常識が一切通じません。
小さなラーテルが、尾を高くあげながら、大きなライオンにズンズン挑んでいく映像は衝撃的です。
小さなチワワが家族を守るために懸命に吠える姿に、感動を覚えることはありますが、ラーテルはそうではありません。
ラーテルは大抵の場合「自分の気が済まないから戦いを挑んでいる」のです。
ラーテルはしょっちゅう歯をむき出した表情をしていますが、それはこういった獰猛な性格からでしょう。性格は顔に出るとはよく言ったものです。
また、ラーテル自身が死んだふりをして相手の隙をついたり、わざと相手の急所(睾丸など)だけを狙って攻撃することもあります。
子ライオンにはラーテル自身から向かっていくものの、大人のライオンが来たら逃げ腰になり、また子ライオンだけになると向かっていく…といような、ズル賢こく、したたかさな性格も持ち合わせています。
さらには、繁殖期になると、その性格はより獰猛になるんです。
余談ですが、ラーテルの名が戦闘車、銃、ロック商品の名前、モチーフに起用されることもありますが、これはラーテルの「最強さ」にあやかってのものなのです。
鳥との協力関係を結んでいる
最強かつ最恐と恐れられるラーテルですが、その好物は可愛らしく「ハチミツ」でした。そのハチミツの獲得方法がとても独特なんです。
ハチミツの獲得にはミツオシエ(英名:ハニーガイド)という鳥の存在が欠かせません。
ミツオシエはハチの巣を見つけると鳴き声をあげ、ラーテルをその在処まで先導します。
そして到達したラーテルは、力任せにハチの巣をぶっ壊します。
自分自身ではハチの巣を壊す腕力のないミツオシエですが、ラーテルが壊してくれた後、おこぼれのハチミツ、ハチの幼虫にありつくことができます。
こういった、相互に利益のある関係を「共生」といいますが、まさにラーテルとミツオシエは共生関係なのですね。