ギャンブルすると無謀な賭けをしてしまう
ギャンブルすると無謀な賭けをしてしまう / Credit:(左)Depositphotos,(右)Depositphotos
psychology

ギャンブルは勝っても負けても「無謀な賭け」をしてしまうと判明

2021.10.24 Sunday

ギャンブルにハマる人は、往々にして「無謀な賭け」にチャレンジするようになります。

実際、パチンコの勝率を理解していてもやめられない人や、低確率の課金ガチャに大金をつぎ込む人は多いです。

また運よく勝ちが続いた人は、いわば調子に乗って、その後に無謀な賭けをしやすくなると言われています。

しかし、京都大学大学院教育学研究科に所属する田岡 大樹(たおか だいき)氏ら研究チームは、勝ち続けた経験だけでなく、多くの負けの経験もまた無謀な賭けにつながると発表しました。

研究の詳細は、10月11日付の学術誌『Journal of Gambling Studies』に掲載されています。

勝ちばかりでも、負けばかりでも、「無謀な賭け」につながる -望み薄なギャンブルに賭けてしまうのはなぜか?- https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-10-20
Role of Affect and Risk–Benefit Perception on Reckless Betting: Prior Wins and Losses Both Lead to Risky Bets https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10899-021-10077-4

無謀な賭けをしてしまうギャンブル依存症

最近日本では、カジノ導入に対するさまざまな意見が飛び交うようになっています。

反対意見として特に多いのは、「ギャンブル依存症の人が増える」というものでしょう。

私たちが実感しているように、ギャンブルには人々を依存させる大きな力があります。

ギャンブル依存症の特徴は、「無謀な賭け」をすること
ギャンブル依存症の特徴は、「無謀な賭け」をすること / Credit:Depositphotos

とはいえ、すべての人が依存症になるわけではありません。

そのため無謀な賭けを行う人の心理的メカニズムを解明するなら、ギャンブル依存症を未然に防げるかもしれません。

そこで研究チームは、ギャンブル依存症の大きな特徴2つに焦点を当て、分析することにしました。

その1つは「無謀な賭け」であり、これは負けが見込まれる勝負において多額の賭けを行うことです。

そしてもう1つは、「負け追い」と呼ばれるもので、損失を取り返そうとして、賭けを続けたり賭け金を増やしたりする行動のことです。

研究チームは、ギャンブル中の感情がメリット/リスクの判断にどのように関係するのか、またそれらが無謀な賭けや負け追いにどのようにつながるのか調査することにしました。

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