卵の中の運動がヒナを強くする
研究チームは、托卵鳥のヒナが義兄弟に勝てる秘密は、孵化前の卵の中にあると考えました
なぜなら2006年の研究で、卵の中の運動(胚の多動性)が筋肉質なヒナの発育に関わっていると判明したからです。
対照的に1990年の研究では、胚の麻痺がヒナの発育不全、関節の奇形、筋力低下を引き起こすと言われています。
つまり、「卵の中での筋トレが、ムキムキで強いヒナを生み出していた」のです。
これらの点を考慮すると、托卵鳥のヒナが義兄弟たちより強いのは、卵の中での運動が関係しているかもしれません。
そこでチームは、14種類の鳥類の卵437個を分析。
その中には、托卵鳥5種と托卵される種、また比較のために托卵とは無関係の近縁種が数種含まれていました。
そしてそれぞれの卵に赤外線を照射し、胚の運動の違いを調査したのです。