托卵鳥のヒナは義兄弟に勝つため、卵の中で活発に運動していた

調査の結果、托卵鳥は他のトリに比べて高い確率で胚が運動していました。
また胚の運動量においても、排卵鳥の方が他の鳥類よりも上でした。
しかも孵化直前にはその運動がさらに活発になるようです。
ちなみに托卵鳥の中でも胚の運動には差があり、体が小さかったり母鳥の協力が少なかったりする種は、より多くの運動が観察されたとのこと。
托卵されたヒナは、孵化直後から生存競争を勝ち抜くための大きな力が求められます。
そのため彼らは、卵の中ですでに筋トレを始めていたのです。
競争相手を確実に殺すため、生まれる前から訓練されているなんて、まるで悲しい運命を背負った殺人マシーンのようです。
さて今回の研究から、托卵鳥のヒナは卵の中で運動しているので、孵化してすぐに義兄弟たちに勝てることが分かりました。
生存を賭けた勝負は卵の中から始まっていたのですね。
今後チームは、さらなる研究のため、トリの胚の動きがどのように開始されるか探っていく予定です。
カッコウの雛が仮親の卵や雛鳥を落としている様子を映した動画が幾つも公開されていますが、付いているコメントには、カッコウを非難し、敵視するものが多いですね。”人間による善悪の判断” によればそうなるでしょう。
だがね、カッコウだって ”悪意があって” やってはいません。なぜそういう進化をしたのかは知りませんが、とにかくそうしないとカッコウ(他の托卵をする動物も)は生きて行けないし子孫を維持できない。抽象的な言い方になりますが、托卵も「自然の摂理」によって編み出された生存戦略であり、例えば托卵する側がうまい事をしている、される側は損をしている、というような単純な人間の視点では理解できません。カッコウも常に托卵に成功するわけもなく、空しく山野に産み捨てられる卵も少なくないでしょう。巣から落とされた卵や雛も決して無駄な命ではなく、他の鳥や動物に食べられるか、さもなくば土に還って、いずれも大自然の物質の循環にきちんと組み込まれています。
カッコウやその他托卵する生物を非難する人には、姦通した女を助けたイエス=キリストの逸話ではありませんが、「今まで他の生物の命をもらって来た事がない者のみ非難せよ」と言いたい。非難できる人はいますか? 人間も生物の一種である以上、試験管の中で培養されたような生活史でない限り、一人もいないはずですが。
長文コメント失礼しました。