水と洗剤がグライダーに必要な大きい翼を作る
バブルグライダーが翼を維持できるのは、そこにシャボン玉が維持されるのと同じメカニズムが働いているからです。
液体には表面張力という「表面をできるだけ小さくしようとする性質」があります。
水は特にこの力が大きいので、分子同士が引っ張り合って小さなかたまりである水滴になろうとします。
これではバブルグライダーの翼に必要な表面積の大きい膜を作ることができません。
そこで必要なのが、シャボン玉液には欠かせない洗剤です。
洗剤の主成分である「界面活性剤」には、水の表面張力を抑える働きがあります。
そのため水と洗剤を混ぜた液体は、表面積が大きい状態を保てるようになるのです。
これにより、シャボン玉の形を安定させられるほど、強くて安定した広い膜が作られます。
さらに形成された膜は非常に薄く、その厚さは1μm~5nmだと言われています。
この膜の薄さもシャボン玉が浮いたり、バブルグライダーが滑空したりするのに必要な「軽さ」に貢献していると考えられますね。
もちろん、膜は時間経過でどんどん薄くなり最後には崩壊してしまうため、バブルグライダーの翼が維持されるのもわずかな時間だけでしょう。
さて、ここまででバブルグライダーが滑空できるメカニズムを簡単に解説しました。
実際には水と洗剤の配合比率や、機体の素材、翼の大きさ、フレームの厚さなど細かな調整が必要です。
もし、バブルグライダーで簡単に遊びたいのであれば、改良版バブルグライダーが販売されているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
商品1つの値段は9.99ユーロ(約1300円)となっています。
大人から子供まで楽しめるバブルグライダーは、科学的な思考と面白さを味わうにはピッタリのおもちゃなのです。