血液検査で2型糖尿病を予測できる
血液検査で2型糖尿病を予測できる / Credit:Depositphotos
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2型糖尿病発症の兆候を19年前から予想できる血液検査が登場

2021.11.16 Tuesday

現在、世界中の約6%が2型糖尿病で苦しんでおり、食事療法や運動療法、またインスリン注射で生活を大きく調整しています。

彼らの多くが、「糖尿病が発症する前に、その傾向を知りたかった」と考えていることでしょう。

そして最近、スウェーデン・ルンド大学(Lund University)臨床科学部に所属するヤン・デ・マリニス氏ら研究チームは、2型糖尿病の兆候が表れるタンパク質を発見しました。

これにより、発症のリスクを19年前から血液検査で知ることができます。

研究の詳細は、11月10日付の科学誌『Nature Communications』に掲載されました。

Biomarker Discovered That Predicts Type 2 Diabetes Many Years Before Diagnosis https://scitechdaily.com/biomarker-discovered-that-predicts-type-2-diabetes-many-years-before-diagnosis/
Elevated circulating follistatin associates with an increased risk of type 2 diabetes https://www.nature.com/articles/s41467-021-26536-w

2型糖尿病の発症は予測できるのか?

糖尿病を発症すると、インスリン注射が必要になる場合も
糖尿病を発症すると、インスリン注射が必要になる場合も / Credit:Depositphotos

糖尿病患者の95%は「2型糖尿病」に分類されます。

これはいわゆる「一般的な糖尿病」のことであり、遺伝的な要因に加え、運動不足や食べすぎなどの不健康な生活習慣が重なり発症すると言われています。

だからこそ、実際に発症する前に体重・食事・運動を適切に管理することで、発症リスクを大きく下げることが可能です。

しかし2型糖尿病の兆候を示す印(バイオマーカー)は見つかっていなかったため、「つい油断してしまい、気づいたら糖尿病になっていた」という人が多いでしょう。

ところが最近、研究チームの調査によって、2型糖尿病の発症に関わるバイオマーカーを特定することに成功しました。

スウェーデンとフィンランドの2カ所で集めた5318人のデータを最大19年にわたって追跡調査した結果、「フォリスタチン(英訳:Follistatin)」というタンパク質が2型糖尿病のバイオマーカーになると分かったのです。

次ページ特殊なタンパク質が2型糖尿病のバイオマーカーだと判明

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