特殊なタンパク質が2型糖尿病のバイオマーカーだと判明
フォリスタチンとは、主に肝臓から分泌されるタンパク質であり、代謝の調整に関わっています。
そして血液中に含まれるフォリスタチンの濃度(血中フォリスタチン濃度)が高いと、2型糖尿病を発症しやすいと判明しました。
しかもその傾向は、実際に糖尿病を発症する19年前から表れていたとのこと。
つまり血液検査で血中フォリスタチン濃度を測るなら、将来の糖尿病リスクを判断できるのです。
さらに今回の研究では、血中フォリスタチン濃度がどのように糖尿病の発症リスク上昇に関わっているか調査しました。
その結果、フォリスタチンが脂肪細胞の分解を促進し、肝臓への脂質蓄積を増加させると判明。
肝臓に脂肪が蓄積するとインスリン抵抗性が生じるため、2型糖尿病を発症するリスクが高まるのです。
マリニス氏は次のように述べています。
「今回の研究は、フォリスタチンが2型糖尿病の重要なバイオマーカーになる可能性を示しています。
さらに糖尿病のメカニズム解明に一歩近づくこともできました」
将来的には、血液検査で「自分は糖尿病リスクが高い」と事前に判断できるようになるでしょう。
あらかじめリスクが高いと分かっているなら予防に積極的に取り組めるため、将来の発症をかなり抑えられるはずです。
今後チームは臨床試験を実施するとともに、血中フォルスタリン濃度を利用したAI診断ツールを開発する予定です。