ベジタリアンの真の気質とは?
研究を行ったのは、ウィリアム・アンド・メアリー大学に所属する心理学者ジョン・B・ネズレック(John B. Nezlek )氏です。
彼はアメリカとポーランドの計3800人以上を対象に、詳細なアンケート調査を実施しました。
被験者は自身の食事スタイル(ヴィーガン、雑食、ラクト・オボ・ベジタリアン※など)を申告した上で、人生で重視する価値観について回答しました。
(※ ラクト・オボ・ベジタリアンとは「乳卵菜食」を意味し、野菜・果物に加えて、肉は食べないものの、卵や乳製品など動物性食品は許容しているタイプ)
質問の中では「彼は自分なりの独自のやり方で物事をするのが好きだ」や「彼女にとってお金持ちになることは重要であり、多くのお金を持ちたいと思っている」といった文にどれだけ共感するかを評価します。

その結果、ベジタリアンは非ベジタリアンに比べて、以下の価値を「あまり重視していない」傾向が明らかになりました。
・博愛(近しい人々への思いやり)
・同調(周囲に合わせる)
・伝統(文化的・宗教的な慣習への敬意)
・安全(安定志向)
これらは社会的調和や他者との協調を重視する「保守的な価値観」とされており、それらを軽視するということは「波風を立てることも厭わない」性質を意味します。
さらに驚くべきは、ベジタリアンが以下の価値を「より重視していた」という事実です。
・刺激(新しさや挑戦を求める)
・達成(成功や能力の発揮)
・権力(影響力や支配力の追求)
つまりベジタリアンは、従来イメージされていた「控えめな草食系」とは真逆の、「野心家でチャレンジャー」な傾向を持つ人々だったのです。