「カンニング支援」企業Cluelyとは?

AIの進化によって、私たちの生活は大きく変化しています。
文章の自動生成や画像の解析、音声認識といった技術は、教育やビジネスの現場にも深く入り込みつつあります。
しかし、その一方で、「AIを使ってズルをする」という新たな問題も浮上しています。
Cluelyは、まさにこの“ズル”の可能性に着目した企業です。
創業者は21歳のChungin ”Roy” Lee氏とNeel Shanmugam氏。
彼らはコロンビア大学の学生でしたが、ソフトウェアエンジニア向けの技術面接でカンニングを可能にするAIツール「Interview Coder」を開発。
このカンニングツールの開発が問題となり、彼らは大学から停学処分を受け、後に中退します。

そして、この経験をもとに、2025年初頭にCluelyを設立しました。
もともと「Interview Coder」は、LeetCode(大手IT企業の技術面接で頻出のプログラミング問題を集めたオンライン学習プラットフォーム)などのコーディング問題にリアルタイムで答えを出す支援ツールでした。
しかし現在では就職面接、営業トーク、学術試験など“あらゆる場面でのカンニング”を支援するAIアシスタントへと進化しています。
CluelyのAIは、ユーザーの画面と音声を解析し、必要な情報や回答をリアルタイムで提示します。
重要なのは、このツールが非常に巧妙に作られており、Zoomなどのビデオ会議や画面共有に一切映り込まない点です。
面接官や監督者には存在が分からない“透明なカンニングパートナー”として機能するのです。
この特性を強調する形で、Cluelyは話題性を狙ったプロモーション動画を公開しました。
Cluely is out. cheat on everything. pic.twitter.com/EsRXQaCfUI
— Roy (@im_roy_lee) April 20, 2025
Lee氏が高級レストランで女性とのデート中、AIの指示をこっそりと受け取りながら年齢や芸術知識について語るという内容で、視聴者の間で賛否両論を呼びました。
Cluelyのスローガンは、”Cheat on everything(すべてでズルを)”であり、彼らのAIツールはまさにそれを体現したものとなっています。
そしてこの企業の前進は止まらないようです。