変わる社会の価値観と「心の健康」に対する見方
近年、子どもを持たないことを選ぶ人が増えています。
かつては「結婚して子どもを持つのが当たり前」という雰囲気が強く、特に女性には「母親になるべき」と期待されていました。
しかし今は、「結婚しない」「子どもは持たない」という生き方も普通になり、まわりからの目も以前ほど気にならなくなっています。
この変化の背景には、社会の価値観の変化があります。
昔と違い、「親になることだけが幸せではない」と考える人が増えています。
たとえば「仕事や趣味、旅行など自分のやりたいことを大切にしたい」「自分で自分の生き方を決めたい」と考える傾向が強まっています。
実際にアメリカの調査でも、子どもを持たない人の多くが「ただ欲しくなかったから」と答えており、自分らしい人生を選ぶことが大切にされています。
また、ジェンダー観の変化も見逃せません。
「女性は母親になるもの」という昔の考え方は弱まり、子どもを持たないという選択も、男女ともに同じくらい身近なものになってきました。
さらに、心の健康や過去の家庭経験も大きな理由の1つになっています。
「まだ自分の心は十分に安定していない」と感じたり、「昔の家庭環境でつらい思いをしたから、自分は子どもを持たない」と考えるたりする人は少なくありません。
社会全体で「心のケア」や「トラウマ」について語られる機会が増え、自分自身を大切にする風潮が広がってきました。
最近の研究では「親になるかどうかと、人生の満足度や幸せに大きな差はない」という結果も出ています。
つまり、親にならなくても自分らしく幸せを感じることができる時代になってきたのです。