ADHDの人ほど、退屈しやすいのか?
「退屈」と聞くと、ただ暇を持て余すだけの軽い感情のように思えるかもしれません。
しかし心理学の研究では、退屈はうつ病や不安障害、自傷行為、学業不振、労働災害の増加など、さまざまな深刻な問題と関連していることが報告されています。
つまり「退屈しやすい」という傾向は、単なる気まぐれではなく、心の健康と密接に結びついた現象なのです。
もちろん、誰でも退屈することはあります。
しかし、人によっては授業中、仕事中、あるいは日常生活の多くの場面で「退屈」を強く、頻繁に感じる傾向があります。

過去の研究から、ADHDの人々は一般的に退屈を感じやすいと報告されてきました。
ADHDは「集中が続きにくい」「気が散りやすい」といった特徴を持つ発達障害であり、そのために退屈を覚えやすいのではないかと考えられてきたのです。
とはいえ、なぜそのような違いが生じるのかについては、これまで十分に解明されていません。
今回の研究が注目されるのは、まさにこの「なぜ?」に答えようとした点にあります。