「キムチの健康効果」とは?
キムチは韓国を代表する発酵食品で、白菜や大根、唐辛子、ニンニク、ショウガ、塩、魚介類などさまざまな材料を乳酸発酵させて作られます。
乳酸菌や食物繊維が豊富なことから、「腸活」や「免疫力アップ」に良い食品としても注目されています。
しかし、「キムチが体に良い」という話の多くは体験談や伝統的なイメージに基づくものが多く、本当に科学的な根拠があるのかどうかは、不明な点が多いのも事実です。
また、「塩分が高いキムチが、なぜ血圧や健康によいと言われるのか?」という疑問もあります。
日本でも「塩分の摂りすぎ=血圧が上がる」という認識が広がっており、キムチの健康効果を疑問視する声もあるのです。
そこで研究チームは、「発酵キムチの摂取が本当に心血管や代謝系の健康指標に良い影響を与えるのか?」を客観的に検証するため、世界の主要な医学・科学データベースを検索。
2011年~2023年に発表された発酵キムチのヒト介入試験(5件・205人)と大規模コホート研究(4件・42,455人)を厳選し、科学的に最も信頼性の高い「系統的レビュー+メタ分析」を実施しました。
分析の対象とした指標は、以下の通りです。
- 空腹時血糖値(糖尿病リスク指標)
- 血液中の中性脂肪値(トリグリセリド、TG。脂質異常症や動脈硬化のリスク指標)
- 血圧(高血圧リスク指標)
- 体格指数(BMIなど)
- がんやメタボリックシンドロームの発症率
そして効果の大きさや信頼性は統計的な手法によって、数値として明確に評価されました。