南アフリカ沖のケープペンギンがわずか8年で95%減少
ケープペンギン(またはアフリカペンギン)は南アフリカからナミビア沿岸にかけて生息し、イワシやカタクチイワシなどの小魚を中心に採餌する中型のペンギンです。
繁殖コロニーでは岩の陰や砂地に巣を作り、雛を育てるために日々多くの餌を海から運んできます。
しかし、このペンギンには生理的に避けられない重大な弱点があります。
それが年に一度おこなわれる換羽で、古い羽をすべて失う間は防水性がなくなるため、約21日間は海に入れず完全な断食状態になります。
この期間を乗り切るためには、その前にしっかりと脂肪を蓄え、換羽後も衰えた筋肉を早く回復させるため十分な餌をすぐに確保する必要があります。
研究チームは、「換羽前に体力を蓄えられなかったペンギンは断食を生き延びることができず、換羽後に餌が見つからない場合も同様に弱って死亡してしまう」と説明しています。
今回の研究では1995年から2015年までの20年間にわたって、ダッセン島とロベン島の2つの主要な繁殖地で繁殖ペアの数や換羽に戻ってきた成鳥の数が継続的に記録されました。
ケープペンギンは通常、繁殖したコロニーに戻って換羽する習性があるため、換羽個体の数は生き残った成鳥の数を示す重要な指標です。
記録を分析すると、2004年以降は換羽のために戻ってこない成鳥が急激に増加し、2004年に繁殖した成鳥の約95%が8年以内に姿を消したことが明らかになりました。
約6万2000羽の繁殖個体が姿を消したのです。
また個体に標識をつけて再捕する生存率調査でも、同じ傾向が確認されました。
研究者たちは、換羽前後に十分な脂肪を蓄えられなかった個体が海で餌を確保できず、餓死に至ったと結論づけています。
では、どうしてケープペンギンたちは餌を確保できなかったのでしょうか。
























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