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「言い合いになりそうな話題」を上手に進めるには? / Credit:Canva
psychology

言い合いになりそうな話題を冷静に進める2つのコツ

2026.02.19 06:30:15 Thursday

「あの一言、まだ引っかかっているんだけど」

「業務の改善をお願いしたいのですが」

このように、パートナーや友人、職場の人と、避けては通れない話題があります。

大切な関係であればあるほど、本音を伝えなければ前に進めない場面は必ず訪れます。

しかし、その一言がきっかけで空気が張りつめ、気づけば言い合いになってしまうことも少なくありません。

米国の心理学者Mark Travers氏は、こうした“感情が揺れやすい会話”を冷静に進めるための2つの戦略を紹介しています。

2 Important Strategies for Having Difficult Conversations https://www.psychologytoday.com/us/blog/social-instincts/202602/2-important-strategies-for-having-difficult-conversations
Emotion regulation of others’ positive and negative emotions is related to distinct patterns of heart rate variability and situational empathy https://doi.org/10.1371/journal.pone.0244427 I understand you feel that way, but I feel this way: the benefits of I-language and communicating perspective during conflict https://doi.org/10.7717/peerj.4831

会話を冷静に進めるコツ①:感情を整えてから会話する

まず前提として、言い合いになりそうな話題は、どの関係にも必ず現れます。

たとえば、「あのときの一言がずっと引っかかっている」と過去の出来事を持ち出すとき。

「家事の負担が偏っている気がする」と役割の不公平を伝えるとき。

「将来どうするつもりなの?」と人生設計の方向性を確かめるとき。

あるいは職場で、「このやり方は改善できると思います」と業務の問題点を指摘するとき。

これらは関係を壊すための話題ではありません。

むしろ、関係を続けるために必要なテーマです。

しかし同時に、「軽く扱われていないか」「否定されないか」「評価を下げられないか」という不安を抱きやすい内容でもあります。

ここで私たちの脳は敏感に反応します。

感情的な緊張が高まると、扁桃体が活性化し、身体は防御モードに入ります。

心拍は上がり、呼吸は浅くなり、筋肉は緊張するのです。

この状態では、視野が狭まり、相手の言葉を“攻撃”として受け取りやすくなります。

一方で、冷静な判断や共感、衝動のコントロールを担う前頭前野の働きは弱まってしまいます。

つまり、身体が「危険だ」と感じている状態では、うまく話せないのです。

感情的に安定した人は、ここでいきなり問題解決に飛び込みません。

まず自分の身体反応に気づき、自問します。

「胸が締めつけられていないか」、「呼吸が浅くなっていないか」、「声が強くなっていないか」

そして一度、減速します。深く息を吸い、姿勢を緩め、返答を急がず間を取ります。

こうした小さな行動で、心拍や呼吸などを自動的に整えている「自律神経」のバランスを落ち着かせていきます。

実際、2020年の研究では、他人が感情を表している短い動画を見ながら、自分の感情を「強める」「弱める」「そのままにする」と指示されたときの変化が調べられました。

その結果、感情を意図的に調整すると、副交感神経活動の指標である心拍変動が変化し、相手への「その場での共感の度合い」も変わることが示されています。

つまり、身体の状態を整えることが、相手への共感や反応の柔軟性と結びついていると考えられます。

言い換えれば、まず神経系を落ち着かせることが、建設的な対話の土台になります。

問題を解こうとする前に、自分を整える。それが第一のコツです。

次ページ会話を冷静に進めるコツ②:責めずに自分の体験から話す

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