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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

現生人類とネアンデルタール人は「ある価値観」を共有していた

2026.07.08 12:00:59 Wednesday

私たち現生人類(ホモ・サピエンス)には、かつて同じ時代を生きた人類がいました。

それが約40万年〜4万年前まで存在した「ネアンデルタール人」です。

近年の研究では、現生人類とネアンデルタール人は互いに交雑し、子孫を残していた証拠も見つかっています。

そして今回、新たな研究で、両者が遺伝的交流だけでなく、「同じものを美しいと感じる価値観」まで共有していた可能性が示されたのです。

その手がかりとなったのは、食用ではない「小さな貝殻」です。

一体、どんな価値観を共有していたのでしょうか?

研究の詳細は、京都大学らにより、2026年7月6日付で学術誌『PNAS』に掲載されています。

ネアンデルタール人と現生人類は価値観を共有していた―小さな貝の化石が語る人類交流の歴史― https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-07-07
Long-term cultural continuity across the Neanderthal–modern human sequence at Üçağızlı II Cave, northern Levant https://doi.org/10.1073/pnas.2609061123

同じ洞窟から「2種の人類」の化石が見つかる

現生人類は、約20万年前にアフリカで誕生しました。

その後、約6万年前ごろからアフリカを出て、ヨーロッパやユーラシアなど、世界各地へと広がっていきました。

この大きな移動は「出アフリカ」と呼ばれます。

しかし、ここには大きな空白がありました。

遺伝学的には、約6万年前ごろに現生人類がアフリカ外へ広がったと推定されています。

一方で、その時代の現生人類の化石は少なく、実際にどのような人類集団が、どこを通り、どのように広がったのかは、十分に分かっていなかったのです。

そこで重要になるのが「レバント」と呼ばれる地域です。

レバントは、アフリカとユーラシアをつなぐ回廊のような場所であり、現在のイスラエルやヨルダンなどを含む地域にあたります。

今回の研究地であるトルコ南部は、このレバントの北端に位置しています。

つまり、現生人類がアフリカからユーラシアへ広がる際の前線基地のような場所だった可能性があるのです。

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位置関係を示した図/ Credit: 京都大学(2026)

チームは、トルコ南部にある「ウチャーズリII洞窟」で、2021年から発掘調査を続けてきました。

その結果、この単一の洞窟遺跡から、ホモ・サピエンス3個体とネアンデルタール人2個体の化石が見つかりました。

年代測定と地質調査の結果、ネアンデルタール人の化石は約7.7万〜5.9万年前、サピエンスの化石は約5.9万〜4.7万年前のものだと推定されました。

つまり、同じ洞窟を、先にネアンデルタール人が使い、その後にサピエンスが使っていたことになります。

これは、単に「同じ場所から2種類の人類が見つかった」というだけではありません。

約6万年前の前後という時代は、現生人類が本格的にアフリカ外へ広がったと考えられる時期と重なります。

そのため、今回見つかった現生人類は、出アフリカの実像に迫る貴重な化石記録となる可能性があります。

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