優しい人ほど「心の浮気」が深かった――冷徹な策士は、他人に心を奪われない
優しい人ほど「心の浮気」が深かった――冷徹な策士は、他人に心を奪われない / Credit:Canva
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優しい人ほど「心の浮気」が深かった――冷徹な策士は、他人に心を奪われない

2026.09.09 22:10:12 Wednesday

ルーマニアのアレクサンドル・イオアン・クザ大学(UAIC)で行われた研究によって、性格や関係の満足度が同じような人を比べると、他人を思いやる優しさが強い人ほど、心の浮気が起きやすい傾向があることがわかりました。

思いやりのある人ほど恋人を大切にするはず——その予想が、この比べ方では裏返ります。

論文では、恋人以外の相手への強い没頭を予測する性格には、これまで問題視されてきたものだけでなく、一般には望ましいとされてきた性質も含まれると記述されています。

人を大切にできる力は、なぜ大切な相手の外側にまで働いてしまうのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年8月4日に『Psychological Reports』にて発表されました。

Personality, Relationship Quality, and Infidelity: Extradyadic Infatuation as Predicted by Dark and Light Triad Traits, Sociosexuality and Relationship Satisfaction https://doi.org/10.1177/00332941261473823

恋人がいるのに、頭から離れない人がいる

恋人がいるのに、頭から離れない人がいる
恋人がいるのに、頭から離れない人がいる / Credit:Canva

恋人やパートナーがいるのに、職場や友人の輪のなかに、気づくと目で追ってしまう相手がいる——そんな話は珍しくありません。

手を出したわけでもなければ、連絡先を消すほどの理由も見当たりません。

それでも、その人を思い出している時間だけが少しずつ増えていきます。

浮気と聞けば、まず肉体関係があったかどうかに目が向きます。

けれど、そこに至らなくても、別の誰かに心が向くことで関係が傷んでいくことはあります。

研究チームが測ろうとしたのは、行動には表れない、この心の動きのほうでした。

恋人以外の誰かに、考えと感情と欲求が向き続けてしまう状態——研究チームはこれを心の浮気(対外恋慕)と呼び、その強さを測るものさしを自分たちでつくりました。

調査の対象になったのは、交際中のルーマニア人303人です。

女性204人と男性99人、年齢は19歳から64歳(平均37.8歳)、半数がすでに結婚していて、交際期間は平均で9年を超えていました。

さらに参加条件が少し変わっていて、「恋人のほかに、実際に知っていて惹かれている相手がいる」と答えた人だけが対象になっています。

募集を行う過程で、心の浮気をしている人だけを集めていった結果です。

(※顔の見えないネット調査だからこそ、普段は口にできない状態を申告できたのかもしれません。)

次に、この条件をクリアした303人の精鋭たちについて、2つの性質が調べられました。

ひとつは闇の3特性(ダークトライアド)で、計算高く人を操るマキャベリズム、自分を特別だと感じるナルシシズム、衝動的で共感の薄いサイコパシーが含まれます。

もうひとつは、その反対側に置かれる光の3特性(ライトトライアド)で、人を目的として扱い手段にしないカント主義、人の尊厳を重んじるヒューマニズム、人は基本的に善だと信じる人間への信頼の3つからなる、2019年に提唱された比較的新しい枠組みです。

さらに、愛情がなくてもセックスに抵抗を感じない度合いを、態度と経験と欲求の3方向から尋ね、いまの関係にどれだけ満足しているかも測っています。

つまり性格と関係についての合計8項目と、「心の浮気」の強さを比べたのです。

すると予想どおり、闇の3つはどれも、強い人ほど心の浮気も強いという並びでした。

なかでも結びつきがはっきりしていたのはサイコパシーです。

光の3つはその逆で、強い人ほど心の浮気は弱く、いちばんはっきり出ていたのは人間への信頼でした。

人の善意を疑わずにいられる人ほど、恋人以外への想いは弱かったということになります。

しかしより詳しく調べると、2つの性質に逆転が起きていました。

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