低所得の母親に現金を支給したら、赤ちゃんの老化指標が低くなった
低所得の母親に現金を支給したら、赤ちゃんの老化指標が低くなった / Credit:Canva
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低所得の母親に現金を支給したら、赤ちゃんの老化指標が低くなった

2026.09.14 21:00:55 Monday

家計の余裕は、赤ちゃんの「育ち方」だけでなく、「老い方」にも関わるのでしょうか。

ドイツのマックス・プランク人間発達研究所(MPIB)などで行われた「赤ちゃんの最初の数年間(Baby’s First Years)」という研究プロジェクトにより、低所得の母親への現金給付を増やすと、4歳の子どもで、生物学的な老化の速さを推定する指標が低くなることを報告しました。

比べたのは、毎月333ドル(5万円ほど)を受け取る家庭と、20ドル(3000円ほど)を受け取る家庭です。

違いをとらえたのは見た目でも体力でもなく、唾液に含まれるDNAについた化学的な目印でした。

生活を支えるお金が、幼い身体の内側にまで影響することを示す結果です。

研究は2026年9月8日、学術誌『Nature Human Behaviour』に発表されました。

Effects of a randomized controlled trial of unconditional cash transfers on epigenetic measures of ageing and cognition in children and mothers https://doi.org/10.1038/s41562-026-02568-4

母親に毎月お金を渡すと、何が変わるのか

母親に毎月お金を渡すと、何が変わるのか
母親に毎月お金を渡すと、何が変わるのか / Credit:Canva

子どものために、もう少し家計に余裕があったら。

その余裕が、子どもの身体にどのような違いをもたらすのかを調べるのは、簡単ではありません。

家庭の収入は、住まいや親の健康状態など、さまざまな条件と重なり合っているからです。

貧しい家庭と裕福な家庭を比べるだけでは、収入そのものの影響を切り分けられません。

そこで赤ちゃんの最初の数年間(Baby’s First Years)」という研究では、米国の低所得の母親1000人を、出産後まもなく、くじ引きのような方法で2つのグループに分けました。

400人には月333ドル、600人には月20ドルを、毎月支給したのです。

お金の使い道に条件はありません。

特定の食品を買ったり、育児講習を受けたりすることを給付の条件にせず、家計に使えるお金を増やしました。

両群の違いは月313ドルです。

どの家庭が多く受け取るかを無作為に決めることで、もともとの家庭環境の違いが一方に偏るのを防ぎ、給付を増やした効果を調べやすくしています。

もともと裕福な家庭と貧しい家庭を比べるのではなく、経済的に厳しい家庭への支援を増やすと何が起きるかを試したのです。

その上で、研究チームは、子どもたちが約4歳になった時点の唾液を採取し、735人分の試料から、DNAに付いた化学的な目印を調べました。

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