日光なしで生きられる「悪魔の花」と呼ばれる植物を発見
日光なしで生きられる「悪魔の花」と呼ばれる植物を発見 / Credit: ScienceAlert
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日光なしで生きられる「悪魔の花」と呼ばれる植物を発見

2026.09.15 10:28:21 Tuesday

植物は光のほうを向く。そう習ってきたし、窓辺の鉢もそうしている。

ほとんどの植物は葉緑素という緑の色素を持ち、光のエネルギーを取り込んで自分の食べ物を作ります。

タイの森の暗い林床で見つかった小さな花は、その決まりごとから外れていました。

チュラロンコン大学とソンクラー大学の研究チームが、タイ西部で採った植物を新種として記載しました。

標本を採ったのは2025年5月、トンパープーム国立公園の標高930〜970mの林床です。

学名はThismia daemona、「悪魔の花」という呼び名も付きました。

Thismia属は妖精のランタンとも呼ばれ、いまおよそ120種が知られています。

この植物には葉緑素がなく、日光をエネルギーに使うことも、光合成で食べ物を作ることもできません。

代わりに、土の中で暮らす菌から炭素や栄養を受け取っています。

こうした生き方は、菌従属栄養(きんじゅうぞくえいよう、菌から養分をもらう暮らし)と呼ばれます。

ナゾロジーでは以前、光合成をしない植物や、菌や他の植物から栄養をとる仲間を紹介しました(光合成だけじゃない!菌類から栄養をとる寄生植物「コケイラン」「キノコそっくりの植物」は光合成しないのに葉緑体は忙しかった宿主の細胞を自分の肉体に変えてしまう驚きの寄生植物「バラノフ)。

暗い林床でも生きられるのはそのためで、ふだんは落ち葉の下に隠れ、花と実をつけるときだけ地上に姿を見せます。

では、どんな姿をしているのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年8月17日に『PhytoKeys』にて発表されました

Scientists Discover a Real-Life ‘Devil Flower’ That Doesn’t Need Sunlight to Survive (ScienceAlert) https://www.sciencealert.com/scientists-discovered-a-bizarre-devil-flower-that-doesnt-need-sunlight Phylogenetics of the mycoheterotrophic genus Thismia (Thismiaceae: Dioscoreales) with a focus on the Old World taxa (Botanical Journal of the Linnean Society) https://doi.org/10.1093/botlinnean/boaa017 Phylogenetic and biogeographical analyses of Thismia (Thismiaceae) support T. malipoensis as the eighth species in China (Willdenowia) https://doi.org/10.3372/wi.54.54102 File:Thismia thaithongiana.jpg (Wikimedia Commons, CC BY 4.0) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Thismia_thaithongiana.jpg
Thismia daemona (Thismiaceae), a new species from Thailand supported by morphological and molecular evidence https://doi.org/10.3897/phytokeys.278.202868
Two T. daemona plants in Thong Pha Phum National Park, western Thailand. ( Neeranuch Taosiri/CC BY 4.0)
Two T. daemona plants in Thong Pha Phum National Park, western Thailand. ( Neeranuch Taosiri/CC BY 4.0) / Credit: ScienceAlert

黒い花に3本の角、DNAの5領域で新種と確かめた

黒い花に3本の角、DNAの5領域で新種と確かめた
黒い花に3本の角、DNAの5領域で新種と確かめた / Credit: ScienceAlert

花を含めた高さは、最大で12.5センチほど。

根はうぶ毛の生えた淡い茶色で、サンゴのかけらのように枝分かれしています。

花はほとんど黒く、赤橙色の肉厚な部分と、半透明の青い雄しべを持ちます。

ドーム状の構造の上には、細い角のような突起が3本のびています。

名前は、隠れて地下で暮らす神秘的な生き方と、悪魔のような本質を表したものだと、ソンクラー大学の植物学者サフット・チャンタナオラピント氏は説明しています。

新種かどうかを確かめるために使ったのは、顕微鏡と高解像度の写真。

あわせて核とミトコンドリアのDNAを5つの領域にわたって読み、ほかのThismiaと比べました。

形の比較には、生きた標本とアルコール漬けの標本の両方を使っています。

系統樹は、ベイズ法と最尤法という2つのやり方で作っても、同じ形になりました。

もっとも近い親戚とみられるのは、ボルネオで見つかっているThismia betung-kerihunensisです。

この花が出てきた場所には、研究者を驚かせる点がありました。

次ページ見つかった集団は1つ、株の数は50に満たない

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