なぜ菌に頼る植物がいるのか?
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一般的に植物は、葉緑素を持ち、光を利用してエネルギーを作る光合成を行います。
しかし一部の植物は光合成をやめ、菌類の菌糸と共生することで生存しています。
このような植物は「菌従属栄養植物」と呼ばれ、ラン科やツツジ科の一部の種で知られています。
なぜ、こうした植物が存在するのでしょうか?
一つの仮説として「暗い森林の下では光が少なく、光合成が困難なため、菌類に頼るほうが生存に有利になる」という説が提唱されてきました。
確かに、菌従属栄養植物の多くは、日の当たらない林床に生息しています。
しかしこれまでの研究では、単に光が少ないから菌に依存するのか、それとも別の要因があるのかは明確にされていませんでした。
そこで神戸大学の研究チームは「光合成と菌類からの養分摂取を併用する植物が、どのようなメリットを得ているのか」を調査しました。