植物学における草木の分類
実は植物学において、草木はあまり明確に区別されていません。
たとえば、桜は木で、イチゴは草ですが、両者は同じバラ科です。
とはいえ、おおまかな草木の分類法はいくつかあります。
まず構造的に見ていくと、木と草の違いは「形成層の有無」です。
形成層とは、樹皮の内側で円を描くように成長していく組織のことで、いわゆる「年輪」です。
一般的に草と呼ばれる植物は形成層がなく、ある程度成長すると茎はそれ以上太くなりません。
そのため年輪を積み重ねて幹が太くなっていくものが「木」でそうでないものは「草」というわけです。
またそれぞれの寿命で分類するという考えもあります。
草は花が咲くと枯れ、その寿命は多くが1年ですが、木は花を咲かせても枯れず数年数十年と成長を続けることができます。
その他にも「木は茶色で草は緑」であったり、「背が高いのが木で背が低いのが草」「太く硬いのが木で細くてもろいのが草」などさまざまな分類があります。
植物学におけるおおまかな草木の分類を述べるなら、「年々太く高く成長していき長く生きるのが木、ある程度の太さ・高さで成長が止まり、1年程度で枯れるのが草」ということになるでしょう。
しかし、これらの分類では定義できない植物があります。
それが「竹」です。
竹は「幹の太さが一定に留まり、年輪がない」「幹が茶色ではなく緑色で中空」「成長の速度が速い」といった草のような特徴と、「木のように高く育つ」「数十年枯れない」といった木のような特徴の両方をあわせもち、その分類については議論が続いています。
また、草の中にはヒマワリやセイタカアワダチソウのように高さが2mを超え、ちょっとした木よりは大きいものもあります。
そんな木のように大きな構造の草たちや竹を明確に線引きするために、今回、北海道大学工学大学院の研究グループは草木の体を力学的視点から分類するという方法を試みることにしました。