恒星の自転と「逆向き」に回る奇妙な惑星を発見
恒星の自転と「逆向き」に回る奇妙な惑星を発見 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
space

恒星の自転と「逆向き」に回る奇妙な惑星を発見

2026.09.30 20:25:00 Wednesday

遊園地のメリーゴーラウンドでは、木馬たちがみな同じ向きに並び、同じ方向へぐるぐると回っています。

宇宙の惑星たちも、ふつうはこうした「そろった回り方」をすると考えられています。

恒星とその惑星が同じ回転するガスと塵の円盤から生まれるなら、惑星は恒星の自転と同じ向きに公転するはずだからです。

そんな中、ジュネーブ大学やロンドン大学クイーン・メアリー校(QMUL)などの国際研究チームは、小さくて温度の低い恒星「M型矮星」を回る惑星「GJ 3090 b」の軌道の向きを調べました。

この惑星は、恒星の自転に対してどちらを向いて回っていたのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月1日に『Astronomy and Astrophysics』にて発表されました。

This Strange Planet Is Going Backwards – and Scientists Don’t Know Why (SciTechDaily) https://scitechdaily.com/this-strange-planet-is-going-backwards-and-scientists-dont-know-why/
Upside down: GJ 3090 b the first retrograde exoplanet around an M dwarf detected with NIRPS https://doi.org/10.1051/0004-6361/202661989

惑星の「回る向き」はどうやって調べるのか

惑星の「回る向き」はどうやって調べるのか
惑星の「回る向き」はどうやって調べるのか / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

恒星の自転軸と惑星の軌道の向きがなす角度は、惑星系がどう生まれ、どう変化してきたのかを探る大事な手がかりになります。

特に惑星が複数ある惑星系では、惑星がどんな道筋をたどって今の位置へ移ってきたのかについていくつもの説が競い合っており、それらを見分けるのにも役立ちます。

角度が小さければ向きがそろっていて、大きくなるほど惑星の軌道は恒星の自転からずれていきます。

今回の主役である GJ 3090 b は、M2型に分類されるM型矮星を回る、海王星より小ぶりな「サブネプチューン」と呼ばれる惑星です。

M型矮星は、天の川銀河の恒星の大半を占める、小さくて温度の低い恒星です。

この恒星のまわりでは複数の惑星が確認されており、GJ 3090 b はそのうち内側を回る惑星です。

ただ、M型矮星を回るとりわけ小さな惑星の軌道の作りは、これまでほとんど手の届かない領域でした。

以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(惑星と恒星の違いってなに?両方の特徴をもつ褐色矮星の軌道から形成過程が明らかに)

そこで研究チームが狙ったのが、惑星が恒星の前を横切る「トランジット」の瞬間です。

チームは GJ 3090 b のトランジットを6回観測し、近赤外線の分光器「NIRPS」と観測装置「HARPS」でデータを集めました。

分光器とは、光を波長ごとに細かく分ける装置のことです。

研究チームは、細かな波長と短い時間間隔でとらえた光から、惑星の通過によって生じる「ロシター・マクローリン効果」(自転する恒星の手前を惑星が横切るとき、恒星の光の波長がわずかにずれて見える現象)を解析しました。

さらに「RMレボリューションズ」と呼ばれる手法を使い、軌道の向きを3次元で割り出そうとしたのです。

以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(「宇宙には好みの向きがある」銀河の分布に非対称性を検出)

次ページGJ 3090 b の軌道はどちらを向いていたのか?

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

宇宙のニュースspace news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!