逆走の「犯人」はどこに? 浮かび上がった2枚目の円盤

惑星の軌道をひっくり返す方法として、よく挙げられるのが重力による影響です。
外側に十分重い惑星や、連れ添う恒星(伴星)があれば、その重力が長い時間をかけて軌道を大きく傾けることがあります。
逆行惑星の説明にはこうした相互作用がよく持ち出されるため、研究チームは GJ 3090 のまわりに、遠く離れた伴星や、極端な傾きを説明できるほど重い外側の惑星がいないかを探しました。
ところが、そうした重い相手がいる証拠は見つかりませんでした。
ジュネーブ大学の博士課程の学生ヤン・カルトレ氏は「この惑星をこれほど極端な軌道へ追いやれるような重い伴天体を探しましたが、その証拠は見つかりませんでした。この惑星系が変わった作りを手に入れた経緯について、考え方を変える必要があるのかもしれません」と述べています。
研究チームによると、この結果は重い天体の重力で乱されたというシナリオには不利で、むしろ惑星が生まれる円盤そのものが最初からずれていた可能性を指し示しています。
GJ 3090 b の惑星系は、確認済みの複数惑星系のうち、重い仲間が知られていないのに軌道が大きくずれている初めての例にもなりました。
そこで研究チームが最も有力な仕組みとして提案しているのが、「2枚目の円盤」という考えです。
恒星が後になってまわりからガスと塵を取り込み、元の円盤とは傾いた新しい円盤ができたというものです。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(原始星系の円盤が異なる角度で傾いているのを発見!未知の惑星がある証拠)
この新しい円盤は、恒星の自転軸と向きがそろっているとは限りません。
新しい材料から生まれた惑星がその向きを受け継ぎ、さらに円盤の働きで移動したなら、今の姿を説明できるといいます。
この場合、後から激しい出来事が起きたと考えなくても説明がつき、逆向きの軌道はこの惑星の生い立ちをそのまま記録していることになります。
ジュネーブ大学のヴァンサン・ブーリエ助教は「惑星系が、向きの違う2枚目の円盤から作り直されうるという考えは特にわくわくします。若い恒星のまわりの環境が、惑星の配置を決めるうえで、私たちが思っていたよりずっと大きな役割を果たしうることを示しているからです」と語っています。
ただし、これはまだ提案の段階です。
本当に傾いた2枚目の円盤から生まれたのか、そしてほかにも同じように極端な軌道をもつ惑星系があるのかを確かめるには、さらなる観測が必要とされています。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(2つの惑星が同じ軌道を公転する「トロヤ惑星」を発見!)
惑星が恒星と同じ向きに回るのは当たり前だと思いがちですが、その向きは惑星が生まれた環境しだいで描き直されることもあるのかもしれません。




















