11分ごとに点滅するゾンビ星と謎の「フレア」

今回の舞台は、地球から約1万3000光年離れた「BP Crucis」という連星、つまり2つの星がペアになった天体です。
片方は、太陽のおよそ60倍の大きさをもつ青い極超巨星(巨星の中でもとりわけ大きく明るい星)「Wray 977」です。
もう片方の「GX 301-2」は、超新星爆発を起こした星の亡きがらである中性子星です。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(2つの星の性質をもつ奇妙な中性子星を発見! 恒星進化のミッシングリンクか)
太陽と同じくらいの質量が直径およそ20kmの球に詰め込まれた、とてつもなく高密度な天体です。
死んでもなお激しく活動を続けることから、海外の科学メディアはこれを「ゾンビ星」と呼んでいます。
しかもGX 301-2は「パルサー」と呼ばれるタイプで、非常に強い磁場をもち、高速で自転しています。
そのため、X線を含む強い電磁波のビームを、首を振るように宇宙へ放ち続けているのです。
パトカーの回転灯のように、このビームが地球を向くたびに、望遠鏡には「ピカッ」という点滅が届きます。
GX 301-2の場合、その間隔はおよそ11分です。
ところがこの星は、ほかの多くのパルサーと違い、この規則的な点滅とは別に、たびたびX線の「フレア」を起こしてひときわ明るく輝きます。
このフレアがなぜ起きるのかは、これまではっきりしていませんでした。
怪しいとにらまれていたのが、相棒のWray 977が吹き出す「恒星風」です。
核融合で燃える星はどれも放射線や電気を帯びた粒子の流れを吹き出しており、太陽ではこれが「太陽風」として地球にオーロラをもたらしています。
Wray 977の恒星風はそれよりずっと激しく、電離したガス(プラズマ)が1本の巨大な流れとなって、時速およそ54万kmで噴き出しています。



























