- マグネターとパルサーの両方の性質をもつ星が見つかった
- 「Swift J1818.0-1607」はマグネターでありながら、高速自転し、電波放射する
- 「Swift J1818.0-1607」は恒星進化論におけるミッシングリンクかもしれない
太陽のような恒星は、その終わりと共に超新星爆発を引き起こし、死を迎えます。
その後、ある一部の死んだ星たちは、星の残骸の原子のうち中性子だけが集まった中性子星として残ります。
最近、その中性子星の1種「マグネター」である「Swift J1818.0-1607」から、本来「マグネター」が出さない奇妙な電波放出が観測されました。
オーストラリアのスウィンバーン工科大学、宇宙物理学者マーカス・ローワー氏は、この電波から、「Swift J1818.0-1607」が、「マグネター」と、電波を放出する「パルサー」と呼ばれる中性子星の中間に位置する星だと推測しています。
つまり、「Swift J1818.0-1607」が「マグネター」と「パルサー」を繋ぐミッシングリンクである可能性が出てきたのです。
マグネターとパルサー
「マグネター」は中性子星の一種であり、高密度の核の残骸です。
超新星爆発によって恒星が圧縮して中性子星になる時、元の恒星が持っていた磁場は強くなります。
そして、磁場が極端に強くなった中性子星をマグネターと呼びます。
その磁場の強さは、地球の約1000兆倍、中性子星の1000倍とも言われています。
マグネターは非常に貴重な存在であり、銀河系内で24個しか発見されていません。また、その中でも電波を発しているのは、ほんの一握りです。
また、中性子星には「パルサー」と呼ばれる一般的な星も存在します。
パルサーとは、パルス状の可視光線や電波、X線を発している星の総称で、高速自転しながら、極から電波ジェットを発射しています。
その様子が、灯台で回転する光のように見えることから「宇宙の灯台」として知られてきました。
マグネターよりも数が多く、現在でも1000個以上のパルサーが確認されています。