チンパンジーの「友だち」と「パイナップル泥棒」の実験

研究の舞台は、アフリカのウガンダにあるンガンバ島チンパンジー保護区です。
チームはまず、ここで暮らす26頭のチンパンジーを、約20か月分、のべ800時間以上にわたって観察しました。
だれがだれを毛づくろいするか、ふだんどう関わっているか、手の届く距離にどれくらい頻繁に一緒にいるかを記録したのです。
その記録をもとに、強いきずなで結ばれた「友だち」のペアと、そうではない「友だちでない」ペアを決めました。
ただし、チンパンジーの親しい関係を人間の友情と同じように呼ぶことには、慎重な研究者もいます。
続いてチームは、2つの部屋を使った「盗み」の実験を用意しました。
片方の部屋では、「被害者」役のチンパンジーが、パイナップルの切れ端をのせたトレイから食べています。
トレイにはロープがつながれ、その端はもう片方の部屋まで伸びていました。
そちらにいる「泥棒」役は、ロープを放っておくことも、ぐいっと引いてパイナップルを横取りすることもできます。
2頭の部屋の間は、チンパンジーが入れない通路で隔てられていたので、泥棒にとって盗みは損の少ない行いでした。
それぞれの被害者役に、友だちの泥棒役と友だちでない泥棒役を1頭ずつ組み合わせたので、ペアは全部で46組になりました。
どのペアも、試行(実験のくり返しの1回分)を3回行いました。



















