バラストが鉄道の旅を快適にしていた
まずバラストには、列車とレールを支えるクッションのような役割があります。
バラストがあることで列車の重量を地面に対して均等に伝えられるのです。
またマクラギの隙間にもしっかりと敷き詰められることで、重い列車が猛スピードで走行しても線路は動きません。
さらにバラストを敷くと振動が吸収されるため、乗り心地が非常に良くなり、騒音も抑えられます。
地下鉄などではメンテナンス簡略化のためバラストを利用せず、コンクリートにレールがそのまま付いています。
そのため、振動や騒音の点では限界があります。
「乗り心地か、容易なメンテナンスか」どちらのメリットを取るかで、採用形式も変わってくるのですね。
さらにバラストには、線路の水はけを良くしたり、植物が生えるのを抑制したりする効果もあります。
そして、これらのメリットを最大限発揮するために、バラストの石は小さかったり丸かったりしてはいけません。
ある程度の大きさで角がある石を使うことで相互に噛み合って、線路に安定感を与えてくれるのです。
このように線路の石には確かな目的があります。
このことを知っているなら、線路に別の石を投げ入れたり、線路から石を持っていったりはしないでしょう。
私たちのために敷かれたバラストを置き石にするなんてもってのほかです。
※この記事は2022年1月公開のものを再掲載しています。