人々がマーフィーの法則を信じる理由
私たちがマーフィーの法則に共感するのには、いくつかの理由があります。
1つ目として、マーフィーの法則として言及されるいくつかの現象には、科学的な根拠があるということです。
例えば、1996年の研究では、バターを塗ったパンの着地パターンには物理法則が関係していたと発表されました。
パンにバターを塗ることで重心が移動し、バターを塗った側が地面に向きやすくなることを実証したのです。
2つ目には、記憶の傾向が関係しています。
人には、自分に有利な出来事よりも不利な出来事に注目する傾向があります。
そしてすんなりうまくいったときより、悪いことが起きたときのほうが強く印象に残るため、記憶に長く残りやすいのです。
そのため私たちの記憶には、マーフィーの法則に合致する出来事が鮮明に残るのです。
3つ目に、私たちには「関係のない出来事を、関係があるかのように思い込む傾向」があります。
例えば、渋滞に巻き込まれたときには、いつも一番遅い車線にいるような感覚になります。
これは自分が他の車を追い越していることよりも、自分を追い越す車の方に注意が向くからです。
結局これは錯覚なのですが、私たちの中ではマーフィーの法則を支持する材料となってきました。
さて、ここまで考えると、マーフィーの法則は確かに単なるユーモアだと分かります。
しかし信じたくなる要素が備わっているのも事実であり、それゆえ世界中でマーフィーの法則が人気なのでしょう。
私たちも、たとえ事実を知っていたとしても、明日には「やっぱりマーフィーの法則は正しい」と感じているかもしれませんね。