パンダのうんちを移植することで、マウスの体重が増加!
チームは、野生パンダのうんちを無菌状態のマウスの腸管に移植する実験を行いました。
これは糞便移植(FMT)という腸内細菌群を変化させる優れた手法で、腸内環境を健全に戻す方法として人間の医療でも使われています。
実験では、笹シーズンの糞便を移植する群と、タケノコシーズンの糞便を移植する群、それから何も移植しない対照群を用意。
すべてのグループにパンダの食事を再現した竹ベースの餌を3週間食べさせました。
その結果、同じ量の餌を与えたにもかかわらず、タケノコシーズンの糞便を移植したマウスは、笹シーズンに比べ、21日後の体重が有意に増加し、脂肪分もはるかに多くなっていたのです。
さらに、C. ブチリカムの代謝物である酪酸が、脂質の合成や蓄積を高める遺伝子「Per2」の発現をアップレギュレート(向上)している可能性が示されました。
こうして、マウスはパンダと同じパターンの季節性体重増加を示し、パンダの代謝に腸内細菌が重要な役割を果たしていることが実証されたのです。
腸内細菌と太る能力の関連性の確立は、人間の医学の進歩にとっても重要なトピックです。
研究主任のGuangping Huang氏は、次のように述べています。
「野生動物における腸内細菌叢と、その宿主の表現型の因果関係を調べる研究はまだ始まったばかりです。
どのような細菌が宿主にとって有益なのかを特定することは非常に重要です。
いつか、プロバイオティクスでいくつかの病気を治療できるようになるかもしれないからです」
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