御年190才!まだまだ性欲も旺盛
アルダブラゾウガメのジョナサンは、1965年に188歳で亡くなった同じゾウガメのトゥイ・マリラ(Tu’i Malila)を抜いて、この栄えある栄冠を手にしました。
正確には、水陸すべてのカメ、および現在生きている陸生動物の中で世界最高齢となっています。
しかし、彼の本当の年齢は誰にも分かりません。
ジョナサンは1882年に、アフリカ東部沖のセーシェル諸島からイギリス領のセントヘレナ島に送られてきました。
その当時の写真の時点で完全な成熟個体に達しており、少なくとも50歳以上と判断されたため、出生年は1832年頃だろうと推測されたのです。
こちらが1882年に撮影されたジョナサン(左)の写真です。
1832年というと、どんな時期だったでしょうか。
日本だと江戸時代で、盗賊として有名なネズミ小僧が処刑された年に当たります。
あるいは『不思議の国のアリス』でお馴染みのイギリス人作家、ルイス・キャロル(1832〜1898)の生まれた年でもあります。
また、科学的な発明史を見てみると、カメラで初めて人の写真が撮影されたのが1838年、世界初の電話が誕生したのが1876年、白熱電球が作られたのが1878年です。
私たちの生活に欠かせないこれらの発明品より前に、ジョナサンは生まれていました。
ジョナサンは現在もセントヘレナ島の知事邸宅の緑豊かな庭園で暮らしています。
セントヘレナといえば、かの有名なナポレオン・ボナパルトが1815年にワーテルローの戦いでイギリスに敗れ、流刑にされ没した地でもあります。
ナポレオンは1821年に51歳で亡くなっているので、残念ながらジョナサンが世界史上の軍人に会うことは叶いませんでした。
同島で唯一の獣医であるキャサリン・マン氏によると、ジョナサンは視力と嗅覚をほとんど失っているそうですが、それ以外の健康状態に問題はないという。
邸宅には他に3匹のゾウガメ(デビッド、エマ、フレッド)が暮らしています。
ジョナサンはご高齢にもかかわらず性欲旺盛で、エマや時にはフレッドとまで交尾する姿が見られているとか。
この様子だと、200歳の大台突破も夢ではなさそうです。