ドイツの古い橋の爆破解体に成功!隣の橋も無傷
ドイツのリンスドルフ橋は、高速道路の一部を担う高架橋(高さ70m、長さ500m)です。
55年前に建設された橋であるため、老朽化が進んでおり、高速道路としては危険な状態にありました。
そのため代わりの橋がとなりに建設されることになり、2021年12月に開通。
あとは古いリンスドルフ橋を解体するだけの状態でした。
橋の解体法はいくつかあります。
たとえば、重機を使ってコンクリートに打撃を与えて砕く「ブレーカー工法」や、高速回転させた円盤状のブレードで細かくカットしていく「カッター工法」、また爆薬を用いる「爆破解体」などがあります。
今回採用されたのは、爆破解体です。
爆破解体は周囲に人や建物が存在しないことを条件としますが、安価で瞬時な解体が可能だったり、重機が入り込めない場所でも解体できるなど、さまざまなメリットがあります。
今回用意されたのは120kgの爆薬であり、16本の柱に設置されました。
すべての柱をタイミングよく爆破することで、橋の残骸が真下に落ちるようにしています。
当然ですが、となりの新しい橋を傷つけてはならず、残骸を遠くに吹き飛ばしてもいけません。
そのため専門家は、重力の作用、柱が折れる方向、爆薬の量など、さまざまな面を慎重に計算しました。
では、爆破の結果はどうなったのでしょうか? 実際の映像がこちらです。
現地時間の午前11時、近隣の住民が見守る中、爆破解体が実行されました。
動画には、爆破解体の一瞬の出来事がしっかりと収められています。
爆風を最小限に抑えつつ、きれいにリンスドルフ橋が崩れ落ちたのです。
しかも古い橋が崩れると、背後から新しい橋が無傷な状態で姿を現しました。
まさに完璧な爆破解体でした。
ドイツでは、これまでに高さ70mの橋が爆破解体されたことはなく、「爆破解体に成功した最も高い橋」という記録が残されました。
この様子はTwitterでも拡散され、見事な爆破解体を称賛する人も多いようです。
WATCH: A bridge in Rinsdorf, Germany, is destroyed during a controlled demolition using 120kg of explosives.🤯
📺 Freeview 236, Sky 515, Virgin 626 pic.twitter.com/9tGTf3Rl1l
— GB News (@GBNEWS) February 6, 2022
ドイツでは現在、およそ60の橋が架け替えや修理を必要としており、工事待ちも多いとのこと。
老朽化による倒壊事故を防ぐために、今後も効率のよい解体作業と新橋建設が求められるでしょう。
今回のような見事な爆破解体も、近いうちにまた見られるかもしれません。