電界を浴びると「拘束されたマウス」のストレスが緩和すると判明!
現代的な生活環境において私たちは身の回りの雑多な電化製品が発する電界に、常にさらされています。
これまで電界が人間の健康に甚大な影響を与えることは確認できていませんが、微弱な生理変化が発生することがいくつかの研究で報告されています。
そのため医療目的で、患者に電界を浴びせる装置も考案されています。
しかし電界が体のどこに、どのような仕組みで影響を与えているかは、いまだに明らかになっていません。
そこで今回、帯広畜産大学の研究者たちは、ストレスを感じているマウスに50Hzの電界を浴びせ、血中のストレスホルモンの値に影響があるかを調べることにしました。
実験ではまず、マウスを狭い空間(遠心分離用のファルコンチューブ)に拘束してストレスを与えることからはじめられました。
マウスは一般的に狭い空間を好みますが、出口が存在しないことが判明すると、強いストレスを感じ、血中に大量のストレスホルモン(糖質コルチコイド)が放出されます。
この状態のマウスに対して研究者たちは、人間に対しても安全と考えられる10kV/m(キロボルト/メートル:電界強度)の50Hzの電界を1時間にわたり浴びせました。
すると、マウスの血中ストレスホルモンは電界を浴びせなかったマウスに比べて有意に低下していることが判明しました。
またストレスホルモンの減少効果は、繰り返されるストレスに対しても発揮されることが判明します。
どうやら微弱な電界は、ストレス状態の緩和に広く役立つようです。
しかし電界はマウスの体のどこに作用して、ストレスを減らしたのでしょうか?