迷子のクジラの元に颯爽と現れ、沖へと誘導するイルカたち
舞台は西オーストラリアの都市バンバリー。
2024年6月中旬、曇天の広がるクンバナ湾で、見慣れない大型の影が確認されました。
地元の海洋保護施設Dolphin Discovery Centreのボランティアが望遠鏡と双眼鏡で湾内を観察していた際、イルカとは明らかに異なる、大きなシルエットを発見したのです。
すぐに同センターは、ドローンとクルーズ船を出動させ、現場へ向かいました。

上空からの映像と船上からの観察により、その動物が若いザトウクジラであることが判明しました。
クジラは幸いにも「健康状態に問題なく、漁具に絡まった様子もなかった」とFacebookの投稿で報告されています。
ただし、クンバナ湾は比較的浅く、クジラが長く留まることには座礁や体力の消耗といったリスクがあります。
なんとかしてクジラを沖へ誘導しなければいけません。
そんなとき、複数のイルカが自然と現れ、クジラの周囲を遊ぶように泳ぎ始めたのです。
イルカたちは、まるで会話でもしているかのように、クジラの動きに合わせて方向を取り、結果として湾の外側、つまりより深い海域へと導き、本来の回遊ルートへと戻るよう助けて助けていました。
この一連の行動を撮影した映像は、センターのFacebookページに投稿され、大きな注目を集めました。
コメント欄には「信じられない!」「なんて素晴らしい光景」といった驚きや感動の声が多数寄せられています。
では、どうしてこのような出来事が生じたのでしょうか?
ザトウクジラやイルカの性質を考慮してみましょう。