雨嫌いの兄に反して、雨大好きな弟ゴリラ
これまでインターネット上では「雨が嫌いなゴリラ」の動画が多く拡散されてきました。
濡れた地面に足をつけまいと必死に歩くゴリラ、雨から子どもを守ろうとする母親ゴリラなどなど。
そのユーモラスな姿が人気を呼び、数百万回以上再生された映像もあります。
こうした動画が浸透した結果、「ゴリラ=雨嫌い」というイメージが一般的になっていました。
ところが、それをくつがえすような出来事が、メルボルンにある「ウェリビー・オープンレンジ動物園」で起こったのです。
映像の主役は、25歳のオスゴリラ「ガニエカ(Ganyeka)」。
彼は西ローランドゴリラという種に属し、人間と最も近縁な霊長類のひとつです。
小雨が降るある日、ガニエカはぬれた草の上に寝転がり、仰向けになって背中をすりすり、髪に水をなすりつけながら、楽しそうに過ごしていました。
飼育員のクリスティーナ・スリース氏によると、「つま先を空に向けて丸めていたので、彼が本当に気持ちよく感じていたことがわかります」とのことです。
こちらが実際の動画(※ 視聴の際は音量に技注意ください)。
一方、ガニエカの兄のヤキニはというと、雨が降るや否や真っ先に屋根の下に逃げ込んでいったといいます。
同じ場所で育った兄弟でも、ここまで違うとは驚きです。
多くの動物園では、ゴリラたちの居住スペースに暖房が効いており、雨に慣れることはあまりありません。
そのため飼育下のゴリラは、基本的に濡れることを嫌がる傾向があるといいます。
ですがガニエカにとっては、雨の日は特別な時間。
他のゴリラたちが雨宿りしている間、広い屋外スペースをひとり占めできる“ごほうびタイム”なのです。