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Credit: canva
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水族館のサメが突然「人間の腕」を吐き出した恐怖の事件とは?

2025.07.08 20:00:42 Tuesday

1935年4月25日、豪シドニーにあるクージー水族館で、オーストラリア史上もっとも奇妙な殺人事件が幕を開けました。

その始まりは誰にも予想できない形で訪れます。

なんと水族館に展示されていた体長4.4メートルのイタチザメが突然、人間の左腕を吐き出したのです。

無惨に千切れた腕には、2人のボクサーがスパーリングをしているタトゥーが掘り込まれていました。

水族館に駆けつけた刑事たちは、あまりの衝撃的な光景に言葉を失います。

そして当然のごとく、このような謎が頭に浮かびました。

「一体なぜ人間の腕が水族館のサメの胃から出てきたのか?」と。

この事件は1935年当時の新聞『Sydney Truth』でも大々的に報じられ、今日と同じくらい信じがたいものとして受け止められました。

記事の見出しにはこう記されています。

「驚くべき悲劇――エドガー・アラン・ポーでさえ、最も奇怪な幻想の中にも想像しなかったような悲劇だ」

では、この片腕は誰のものだったのか、なぜこの人物の腕は水族館のサメの中から出てきたのか?

その謎を紐解いていくと、シドニーの恐るべき裏社会とのつながりが見えてきました。

In 1935, A Shark Threw Up A Tattooed Arm, Sparking Australia’s Most Bizarre Murder Case https://www.iflscience.com/a-shark-vomiting-up-a-tattooed-arm-sparked-australias-most-bizarre-murder-case-59752

サメが吐き出した腕は誰のもの?

サメが吐き出した左腕は、鑑識の詳しい調査に回され、特徴的な刺青と指紋のおかげですぐに身元が判明します。

それは「ジェームズ・ジミー・スミス(James “Jimmy” Smith)」という男性のものでした。

ジミーは当時45歳のイングランド出身のアマチュアボクサーで、シドニー中心部の酒にまみれたビリヤード場で働いていた人物だったといいます。

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当時の新聞記事/ Credit: National Library of Australia

その後に判明したのは、ジミーがシドニーの裏社会と多くの関係を持っており、特に「レジナルド・ホームズ(Reginald Holmes)」という怪しい実業家とのつながりがあったことです。

ジミーはホームズを通じて、ボートを使い沖合で麻薬を受け渡すという金儲けのビジネスに関わるようになりました。

しかし2人の関係は、とあるプレジャークルーザーを沈めるという詐欺事件をめぐって崩壊します。

1930年代半ば、オーストラリアは世界恐慌の影響で経済的に追い詰められていました。

資金繰りに困ったジミーは、かつてのビジネスパートナーであるホームズに対して恐喝を行おうとし、裏社会内部での緊張が高まっていったのです。

そして事件は起こります。

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