ワクチンによる発熱と体内の抗体量には関係があった
新型コロナウイルスに対するファイザー社製のワクチンは現在、日本で最も多くの人々が接種しているワクチンとなっています。
しかしこのワクチンには、インフルエンザワクチンなどと比較すると、発熱などの副反応の出現頻度が高いことが、これまでの研究でわかってきました。
そのため多くの人々が発熱に対処するために、ワクチン接種後に解熱鎮痛剤を服用する結果になっています。
これに対して、「発熱したってことは、ワクチンがちゃんと効いている証拠だ」という噂があります。
確かに、1回目のワクチン接種によって免疫力が十分に強化されていれば、2回目の接種に対して「それなり」の反応を示す可能性は考えられます。
ワクチンに含まれるRNAは、人間の細胞内で新型コロナウイルスの体の一部を合成する働きがあります。
そのため、2回目のワクチンに対しても「感染した」と勘違いして体の防御システムを起動し、「発熱」などの反応を引き起こすこともあるでしょう。
しかし、現在に至るまで「ちゃんと効いている証拠」説は、憶測の水準を越えないものでした。
そこで今回、九州大学の研究チームは、改めて副反応の強さと抗体価(中和抗体の量:以下、抗体量)の関係を調べることにしました。
調査に当たっては、ワクチンの2回目接種を終えた335人の被験者の血液サンプルを採取して抗体量を調査するとともに、発熱などの副反応を記録していきました。
結果、興味深い事実が判明します。