発熱=「ワクチンがちゃんと効いている証拠」と考えるのは間違い
今回の研究により、ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンに一般的に見られる「発熱」が、抗体量に関連していることが示されました。
2回目接種後の「発熱」は、体の防衛機能が働いていた結果であり、体にたくさん抗体量がある人ほど、発熱は高くなっていました。
ここで重要となるのは、発熱がなかった人々の抗体量です。
研究者たちがデータを分析したところ、発熱がなかった人の抗体量は発熱があった人に比べて確かに低かったものの、感染症状を抑えるのに十分な量があったことが確認されています。
つまり、発熱を「ワクチンがちゃんと効いている証拠」とするのは、かなり不確実と言えるでしょう。
2回目接種後に発熱した人が高い抗体量を持っている傾向があり、感染に対して高い免疫力を期待できるのは確かです。
ですが発熱しなかった人に「ワクチンがちゃんと効いていない」ということにはなりません。
発熱しなかった人に対してもワクチン接種によって、十分な抗体量が確認できたからです。
そのため、発熱は「ワクチンがちゃんと効いている証拠」ではなく、「抗体量の多い可能性がある人」と言い換えたほうが適切でしょう。
あるいは極言すれば、発熱があった人は「ワクチンがガッツリ(最大1.8倍)効いている人」とも言えるかもしれません(※あくまで誇張表現です)
また研究では「発熱」を解熱鎮痛剤で抑えてしまっても、抗体量には影響しないことも判明しました。
チームは最後に「今回の研究は副反応を恐れてワクチン接種を控えている方々に、副反応に関する正確な情報を提供することを目的としている」と述べています。