・太陽系には質量が大きく太陽の遠方に位置する軌道の第9惑星の存在が提唱されている
・太陽系外縁天体として見つかった天体の軌道が普通ではない垂直なものであった
・この軌道の説明に成功したのは第9惑星を仮定した時だけ
国際チームが、第9惑星が存在するというさらなる証拠を発見しました。新たに見つかった遠方の天体の動きが、巨大な惑星の影響を示唆しているようです。
2年前、カリフォルニア工科大学の天文学者が、太陽の周りを回る巨大な惑星の存在を提唱しました。これが確認されれば、私たちの知る太陽系のモデルを変えることになります。
研究者たちがこの予測の基にしたのが、太陽系の外縁部にある凍った天体の観測です。こういった天体の軌道は明らかに重力質量によって歪められています。彼らは、およそ地球の4倍の大きさの質量では10倍ある超遠距離の惑星が、この奇妙な動きの理由ではないかと論じています。もしこの天体が存在するとすると、それが太陽を1周するには1万から2万年かかる距離にあることになります。最初の発見を発表してから、カリフォルニア工科大学のチームはこの惑星のさらなる証拠を提供する論文を発表してきています。たとえば、太陽系の他の惑星の軌道の傾きを生み出すのに果たした役割の可能性などです。また、カイパーベルトの軌道になぜ逆行するものがあるのかの説明となりうることも示唆しています。
新たな研究では、ある太陽系外縁天体の動きが、第9惑星の重力でうまく説明できると示されています。その天体は2015 BP519(カシュー)と呼ばれるもので、およそ3年前に発見されたものですが、最近になって、その軌道の形が普通ではないことが分かりました。他の惑星が作る軌道面と、ほぼ垂直に傾いているのです。
この発見が魅力的なのは、第9惑星を最初に発見したチームが作ったシミュレーションが、この天体と丁度一致する軌道の角度を予測していたこと。この予測は、図らずも発見と一致したのです。
カシューが最初に見つかった後、チームはその起動を計算しようとするも、ことごとく失敗。しかしこの第9惑星をシミュレーションに加えると、矛盾が解消されました。
研究者によると、必要なのはあと1つだけとのこと。
「それは、実際にこの惑星を誰かが見つけることです」
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/7324
via: Phys Org/ translated & text by SENPAI
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