赤く染まる恐怖の湖「ナトロン湖」
赤く染まる恐怖の湖「ナトロン湖」 / Credit:depositphotos
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アフリカの動物を石化させる恐怖の湖「ナトロン湖」 もし人間が落ちたらどうなる? (3/3)

2022.05.01 Sunday

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ナトロン湖に「人が落ちる」とどうなる?

結論から言いますと、人が落ちても石化することはないでしょうが、笑い話ではすまないケガを負う可能性はあります。

まず、水温がかなり高いので、火傷は免れられません。

さらに、塩分濃度が非常に高いため、もし皮膚に切り傷などがあれば、地獄のようにしみるでしょう。

傷口に塩を塗り込む様子を想像してください。

また、pHは降雨量によって変化しますが漂白剤のように非常に高いため、最悪の場合腐食性の火傷を負うことになります。

幸いなことに、これまで素っ裸でナトロン湖に落ちた人はいませんが、2007年に、動物写真家のグループがヘリコプターで湖に墜落したことがあります。

その時について、同乗していたカメラマンのベン・ハーバートソン(Ben Herbertson)氏は、次のように話しています。

「機体が湖面に衝突し、私たちは水中に投げ出されました。そして次の瞬間、湖水により、目に焼けるような痛みが走ったのです。

また、周囲は30分もすれば脱水症状を起こすほど蒸し暑く、額から汗が流れ落ちて、また塩分が目に入り込んできました」

この事故で死者は出ておらず、ハーバートソン氏らは、地元のマサイ族によって水から引き上げてもらったそうです。

ナトロン湖に適応したフラミンゴの群れ
ナトロン湖に適応したフラミンゴの群れ / Credit: ja.wikipedia

こうした過酷な環境のため、ナトロン湖に近づく動物はほとんどいません。

しかしその中で、フラミンゴの群れだけが湖に適応し、水中を悠々と泳いでいるのです。

フラミンゴの皮膚は非常に丈夫で、強アルカリ性の水にも耐えられます。

また、捕食者が近寄りたがらないことや、狩猟の禁止区域になっていることも手伝って、フラミンゴの人気スポットとなっているようです。

ただ、現在ナトロン湖は砂漠化の影響で縮小を続けており、いずれはこの地域も草原に変わってしまうと予想されています。

けれどそれまでは、この多くの生き物にとって地獄のような湖は、フラミンゴには「楽園」として存在し続けるでしょう。

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