藍藻を閉じ込めた小型発電機
開発された小型デバイスは、単三電池と同じくらいのサイズです。
デバイス内には藻類の1種である藍藻(らんそう)とアルミニウム電極が入っています。
窓際に設置するだけで、藍藻が光合成して電流を生成してくれるというのです。
研究チームは、「この光合成装置は、エネルギー源として光を使うので、電池のように消耗することがありません」と述べています。
とはいえ、これだけだと従来のソーラーパネルの方が便利に思えますね。
しかし「藍藻発電機」特有のメリットもあるようです。
例えばチームは、「この藍藻は光合成しながら、自分に必要な栄養を自分で生み出せる」と主張しています。
そのためデバイスに太陽光が当たっていない時でも、余った栄養を消費して電流を生成し続けられるのです。
また、従来のソーラーパネルのように環境に悪影響を及ぼす材料で作られていない、という点も安心できるでしょう。
とはいえ一番気になるのは、藍藻発電機の性能と持続性ではないでしょうか。
その点、実験ではIoT技術に広く採用されてきたマイクロプロセッサに電力を半年以上供給し続けることに成功しました。
発電量は少ないですが、IoTの通信・制御用として、従来の電池の代わりになるかもしれません。
現時点では未解明な部分や改善点が多く残っていますが、将来の需要を満たす可能性を秘めています。
「生物を電池にする」新しい時代が近づいているのかもしれませんね。