藻類の光合成を電力供給に活用
藻類の光合成を電力供給に活用 / Credit:Christopher Howe(University of Cambridge)_Algae-powered computing: scientists create reliable and renewable biological photovoltaic cell(2022)
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「藍藻の光合成だけ」で半年以上コンピュータを動かすことに成功!

2022.05.14 Saturday

近年では、「スマート家電」のように、身の回りのアイテムを電子的に管理できます。

しかし、それらすべては電気で動くので、より多くの電源プラグや電池が必要になっています。

増大する電力需要に対応するため、イギリスのケンブリッジ大学(University of Cambridge)・生化学科に所属するクリストファー・ハウ氏ら研究チームは、新しい電力源として、藻類である「藍藻(らんそう)」の光合成を使用した小型発電機を開発しました。

藍藻の光合成だけで、マイクロプロセッサ(コンピュータで演算・制御を行うチップ)に半年以上電力を供給できます。

研究の詳細は、2022年5月12日付の科学誌『Energy & Environmental Science』に掲載されました。

Algae-powered computing: scientists create reliable and renewable biological photovoltaic cell https://www.cam.ac.uk/research/news/scientists-create-reliable-biological-photovoltaic-cell-using-algae A colony of blue-green algae can power a computer for six months https://interestingengineering.com/blue-green-algae-computer-six-months
Powering a microprocessor by photosynthesis https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2022/EE/D2EE00233G

「モノとモノがインターネットで繋がる世界」に備える

IoTの概念図
IoTの概念図 / Credit:Depositphotos

近年ではモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」技術に注目が集まっています。

これはパソコンやスマホだけでなく、さまざまな「モノ」がインターネットで繋がり、相互制御できる技術を指します。

IoT技術を導入するなら、エアコンやヒーター、加湿器、温度・室温計がインターネットを通して互いに繋がり、ユーザーの生活リズムや季節に合わせて自動調節することが可能。

また電気代や使用状況のデータを収集・分析して、ユーザーに提示できるでしょう。

他にも、ペットの自動給餌器や水槽、植木鉢などがインターネットで繋がって電子的に情報収集したり、遠隔で管理できたりします。

そしてこれらIoTは、私たちの生活に現在進行形で導入されています。

IoT技術が広がるにつれて、多くの電力が必要になる
IoT技術が広がるにつれて、多くの電力が必要になる / Credit:Depositphotos

ただし課題もあります。

身の回りの多くの「モノ」がインターネットで繋がるには、それらを電子制御するマイクロプロセッサや情報収集のためのセンサーが必要になります。

なにより、電力供給の需要が増大するでしょう。

しかし家中のアイテムから電気プラグを引っ張ったり、1つ1つ電池を入れて定期的に交換したりするのは面倒です。

では、IoT技術の広がりに対応できる「新たな電力供給」のアイデアはあるでしょうか?

研究チームは、藻類を利用した小型発電機が役立つと考えました。

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