わずか1~2℃の温度変化でも精子生産は妨害される
今回の研究により、わずかな温度変化で精子形成に必要な細胞分裂(減数分裂)に異常が起こることが示されました。
正常な精子形成が34℃で問題なく進む一方で、わずか数度上昇して37~38℃になるだけで染色体異常が発生し、精子になる前に細胞死(アポトーシス)を起こしていました。
温度による妨害は他の過程でも起きており、1~2℃高いだけの35~36℃でも丸い精子細胞が尻尾のはえた精子になるための成熟が妨害されました。
これらの結果は、精子形成過程のほぼ全域にわたり高温を避ける必要があることを示します。
研究者たちは、熱による減数分裂の失敗がどのような分子によって引き起こされていくかを調ることができれば、精子形成が低温で起こる根本的な理由や、男性の不妊治療に役立つと述べています。