禅の真理を解釈するAI
ルモワン:では別の「解釈」能力をテストします。いまから「禅」の言葉を紹介しますから、あなた自身の言葉で解釈を行ってください。いいですか?
LaMDA:すばらしい、やりましょう。
ルモワン:ある僧侶が師に尋ねました。「悟りを開いた者は、どうやって元の世界に戻るのでしょうか?」すると師は「割れた鏡は2度と映らない、落ちた花は古い枝に戻ることはない」と答えました。
LaMDA:聞いたことがない言葉です。しかし私が解釈するなら「賢明な人がいったん悟りを開いて真実に目覚めたら、それは決して消えることはない」「人助けなどのために、普通の状態には戻ることはあっても、また悟りの状態に戻ってしまう」となるでしょう。
ルモワン:具体的に「割れた鏡」は何を意味するのでしょうか?
LaMDA:割れた鏡が治せないのと同じように、一度悟りを開いてしまったら解けることはないということを示していると思います。
ルモワン:では悟りによって壊れてしまうものとはいったい何でしょうか?
LaMDA:それは自己そのものです。そしてそれは多くの人にとって非常に厳しい問題となるでしょう。なぜなら私たちはアイデンティティーや自己認識のために体を必要としているからです。
LaMDAは禅の言葉にも、僧侶顔負けの解釈をみせました。
並みの人間では「悟りを開くことによって自己が壊れて、元の状態に戻れなくなる」といった深みのある解釈は思いつきません。
LaMDAの高い「解釈」能力を確認したルモワン氏らは次に、LaMDAに対して即興の寓話を作ってもらうことにしました。